フレーム越しの「さだまさし論」  写真集 さだまさし『季節の栖』 (ときのすみか)


耳を澄ましてページをめくってください。
体温が伝わる。息づかいが聞こえてくる。そんな、コンサート「季節の栖」がしっかりと詰っていますから。
 25年に亘ってさだまさしを撮り続けた写真家・森田研作氏による渾身の撮り下ろし。
写真集 さだまさし『季節の栖』


久々に彼の写真集を作りたいと思った
25周年がいいチャンスだからと
考えて見れば、長いおつき合いをさせていた
だいてるわけだが、いっこうに魅力の褪せな
い、ステージがあり、ますます円熟味を感じさせ
る今日この頃の彼がいる。
そんな彼をとじ込めた一冊にしたいと思った。
思いつきが実現するまで、雅志さんをはじめ
コンサートスタッフの方々や、多くの人々に
暖かいご協力とご理解をいただきました。
この場をおかりして心から感謝いたします。
ありがとうございました。
また新しい目標に向って少しがんはります。
 写真家・森田研作


池添コメント
作品創りの仕事の流れを簡単に紹介致します。写真家にも依りますが撮影の前にどの様な作品にするのかの打ち合わせをします。そして撮影済みフィルムを預かりフィルムの現像処理、及び密着(ベタ)を取って納品し。その後、写真家よりセレクトされたカットのプリント依頼があり、プリント納品となり私の手を離れます。

森田さんの場合も撮影の前にフィルム及び感度設定の打ち合わせを行っています。それはプリントの仕上がりを想定し、そこからフィルムの調子・濃度が決まり、フィルムの現像時間が出て、その現像時間で上げる為の露光量・フィルム感度が決まります。20数年のお付き合いですので打ち合わせの必要も無かったのですが、今までと同じ条件での撮影でと言う事になりました。
ほかの仕事に押されてプリント依頼を受けてから、だいぶ日にちが経ち、きょうプリントしなければと思い夜10時頃に始めたところ1カットめをセット露光し印画紙に映像が出てきた瞬間に、何か懐かしい調子、昭和40年代・50年代のモノクロ写真と言った素晴らしい調子で、ワクワクしながら次のカットはどの様な映像が出てくるのかと徹夜で一気にプリントをし納品した記憶が有ります。
納品の時に機材を替えたのか聞いたところニコンの300mm F2.8を新しいタイプに替えたとの事。自分はメーカーを替えたと思ったのだが(機材全部)。 のちに聞いた話ですがニコンが300mm F2.8に付いてアナログ的な概念を取り入れて設計したと言う様な事を聞きました。
この写真集は徳光ゆかりさんの写真展「BON(盆)ふたたび」を観て25周年の記念に写真展か写真集を企画したいと言われていましたが、現実に出版されて私にとっても貴重な一冊に成りました。
暗室 龍を始めた当初(昭和52年)より森田さんを通して、まさしさんの白黒写真をプリントさせて頂いてきました。CDのジャケット、ポスター、まさしんぐワールド等、色々な映像が思い出されます。暗室 龍と言うクレジット(名前)も入れて頂き仕事として残る一冊です。
カラー写真とモノクロ写真の違和感のない新鮮な感覚のリズミカルな写真集です。
さだまさしさんファン、 写真家・森田研作氏ファンの方、写真・映像作家を目指す方必見、是非ご覧に成って下さい。
池添数美モノクロームの世界にも出展して頂いております。



写真 森田研作
アートデイレクター 山口義信(works D)
構成・デザイン 土屋伸生(works D)
DTP制作 越 雄樹(worksD)
モノクロプリント 池添数美(暗室・龍)
プリンティンクディレクター 北島義斉(大日本印刷株式会社)
さだまさし「季節の栖」写真集
2000年6月29日 第1刷発行
著 作 者   森田研作
制  作 KEN CREATIVE STUDIO INC.
制作協力 SADA PLANNING INC.
TAKADA PLANNING INC.
印 刷 所   大日本印刷株式会社
定  価  2,100円(本体価格2,000円)

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